Marantz CD880J クロック交換 自作リストトップへ戻る↑

神戸のKD様
Marantz CD880J高精度クロック への交換

   
Summary
1.序章   2.機器のゲット!   3.手を入れるポイントはなんだ?   4.割腹、そして発注
5.いざ、クロック交換   6.音はでるのか?   7.聞いてみよう!

  1. 序章
    ジャズ好きが昂じて、オーディオに手を出し始めたのは、いつ頃だろうか。 ...というダラダラした文章はズバッと略。
    工学系ながら電気的知識を一切持っていない僕は、仲間内の回路など電気的な話題についていけず悔しい思いをしていた。
    そこでオーディオの簡単な勉強から始めようと立ち上がった!
    まず、目をつけたのが、仲間内でちょっと前に評判となったCDプレーヤのクロック交換とスィングアームである。
    この改造(改悪?)を皮切りに僕のオーディオ人生は大きく変わるだろう!(^.^)
    一抹の不安を抱えながら、期待いっぱいの船出である。
       
  2. 機器のゲット!
    Studer,Revox,Wadia,Philips,Marantz...調べてみるとスィングアームを使ったCDプレーヤは結構ある。
    そこで、安価なMarantzに標的を絞り、どうにかオークションでMarantzのCD880Jをゲットした。
    開封ももどかしく、到着した荷を早速聞いてみる。
    フラシーボ効果いっぱいですが、さすが、往年の銘機です!! (^^ゞ
    音の粒子が荒く太く、高音にはちょっと煌びやかな癖と緩い低音であるものの、非常に滑らかで聞きやすい音と思う。
    通電直後,絨毯直置き,赤白ケーブルを考えると、善戦していると思う。
  3. 手を入れるポイントはなんだ?
    ホームページで調べると、古いCDプレーヤを生き返らす大きなポイントは以下のようだ。
    • クロック交換
    • リクロック
    • オペアンプ交換
    • コンデンサ交換
    すべてをやってみたい。しかし、焦ってはいけない。僕には技量が一切無い。
    そこで、
    プラクト・サウンド・システムの岡本さん へ色々教えを乞い、僕の技量ではクロック交換しかできないと判断した。
    もう少し技量がついてから、オペアンプ交換とリクロックに挑戦だ!
  4. 割腹、そして発注
         
    まずは、割腹して、内部の確認。
    ネジが☆(ヘクスローブ)型なので、取り外しが面倒。
    100円ショップで、なぜか400円もしたL字のレンチを使う。
    ネジ一本を外すにも時間がかかる(;_;)
    クロックの確認。
    さすが、インターネットの世の中です。
    いろいろと情報が氾濫しており、知識なくても情熱があれば、調べられる世の中です。
    CD880Jで使われているクロックは、11.2896MHz でした。
    早速、プラクト・サウンド・システム さんに発注しました。
    あとは...DACなども発見
    TDA1541A のシングル利用ということだろう。
    しかし、S*なんて文字も見えないし、王冠やダブルクラウンなんてものも見えない。。
    今更、何ができるわけでもないので、そういうものだろうと考えることにする。
       
  5. いざ、クロック交換
    クロック到着。
    交換するクロックのファーストインプレッション...小さいな〜(笑)
    デジタルの世界は小さい方が良いようですね。重厚長大型の僕には、ちょっと慣れない世界。
     
    クロック周辺の調査から開始。
    SAA7220のデータシートを検索し、Xin/Xoutの場所が判明。
    クロック周辺に使っているRやCは、チップ型らしい。こんな小さなもの?
    次は、アースポイントの探し出し。
    配線を目で追いながら、テスタ(導通チェックしか使えないのだが...)で調べると、発見。
    基盤の表面に広がっている配線パターンがアースであることを発見。
    どうもアースポイントは数個(パターンが切れている)あるようだ。
       
    次に、+電源を探す。...分らん。(;_;)
    3端子レギュレータなるものを探し出すと、7905というものを発見。
    7905を調べてみると、負電源というものらしい。
    つまり、+電源から+5Vを作り出すのではなく、−電源から−5Vを作り出すものらしい。
    アースのピン配置から考えて、このレギュレータが何かに関与していることは明白である。
    しかし、今、必要なのは+電源。−電源は不要。僕には−電源というものを理解出来ん。
    気を取り直して、再度、配線を追ってみるもやはりわからん。
    ついでにオペアンプ観察。
    NE5532PとJRC5532Dが合計6ヶ使われている。
    想像するに、IV変換(中ほど左)&ヘッドフォン用(右下)がNE5532,出力バッファがJRC5532(左下)ではないか?
    それにしてもJRCの5532は小さい。クモ型(?)だ!
    これを交換するとなるとハンダ付けがシンドそうだ。
    HEF4051BT(4ヶ),HEF4094BTというものも見える。
    +電源の場所を悩んでいても仕方ないので、プラクトサウンドシステム 岡本さん にヘルプのメール
    。質問は3点。
    1. +電源の場所が不明
    2. クロック周りのC,Rは合っている?
    3. Xoutは何も接続しなくていい?

    日曜日だというのに、岡本さんから返答をいただきました(ありがとうございます!)。
    1. 「7905のグランドとその近くの抵抗で+12Vが存在」
    2. 「バッチリ! すべて外す事」
    3. 「Xoutは何も接続しなくてOK」
    返信メールを受け取った時には、既に次の作業に移っていた僕は、+電源をアドバイス通りとせず、 電源基板から引っ張っていた。
    (これで良かったのか悪かったのか知る術もないが...)
     
    メールした直後、ヒラメいたっ!!
    外していない基板(電源の方)に、+電源があるのではないか?
    調べてみるとピンポ〜ン!(^^)!  7805を3ヶも発見!
    多分、メカ,デジタル,アナログと別々になっているということでしょう。
    テスタで7805の入力端子を計ってみると、+12.06Vでバッチリ!
    ということでアースラインから、一番右の7805がデジタル用であることを探し当てた。
    配線を悩んだ挙句、クロックまでの配線はちょっと遠いが内部を大胆に横断し、
    電源基板からクロックへ電源供給することにした。
    そして、結局、音声系のみならず電源系の基板を含め、2枚とも外された。
    手持ちの銅線を利用して電源系の配線作業。
    銀素材は、過去、コンセントや電源ケーブルなど色々試したが、肌に合わなかった。
    良さは非常によく分るけど、どうしても、煌びやかさと高音部のクセを感じてしまう。
    そこで、電源周りは銅線とし、クロック購入時に頂いた銀線はクロックの出力に利用することにした。
    クロックのボードをどのように固定しようか? と悩み、
    100円ショップのクッション入り両面テープで貼り付けることにした。
    でも、グラグラ。
    スペーサ(足)が2ヶでなく3ヶだと、かなり安定しそう。
    まぁ、これは、後日対策を考えることにする。

    途中、苦労したのはクロック周辺のチップ型のC,Rの取り外し。
    いろいろと悪戦苦闘しながら、なんとか仮組上げ。
    気を取り直して、電源ON!
    クロックのボードのランプが無事、点灯!
    クロックへ供給されている電圧を測ると +10.98V。
    1Vはどこかへ消えてしまったが、まぁ、良しとしよう。
  6. 音はでるのか?
    期待に胸膨らむCD挿入, Play。一番緊張する瞬間である。
    ブチッって切れたらどうしよう? 煙がでたらどうしよう? 爆発したらどうしよう?...
    そもそも知識が無い人間が手を加えて電気モノが動くのか?...
    期待と同時に不安で一杯になる。
     
    次の瞬間、、、♪♪ ♪♪ ♪♪ ♪♪ ♪♪ ♪♪ ♪♪ ♪♪ ♪♪ ♪♪
    というこでどうにかこうにか、無事、鳴り出しました!
    やっほーーっ!! 岡本さん,感謝します!

    結局、外した部品はこれ。→
  7. 聞いてみよう!
    本組立てを行い、早速 視聴開始!
    記念すべき一枚目は、Scott Hamilton/Plays Ballads。
    印象は、ちょっと高音がキツイかな〜。
    ブラシの毛がよく聞こえるけど、嘘っぽい。シンバルの音も軽い。
    中域は少々寂しい気もするが、低音は良くなった! バンザイ!
    ボサノバになると、キレよく気持ちよく聞こえる。
    明らかにグレードアップしたのが判る。
    音の実在感が増し、音のキメも非常に細かくなった。
    安定するのに、100時間もかかるらしいので気長に待つことにする。
    2日目。昨日から電源はONのまま
    さて、何を聴こうか。。 スタンゲッツのカルテット(OJC盤)。 演奏は最高だが、録音が悪い盤というのが、僕の前からの印象。
    聞き始めると、うっ。。。 これは辛いぞ。途中で止めてしまった(^^ゞ
    高音が強いからか、ブラシの音とかよく聞こえる。 しかし、それ以上にノイズが盛大に聞こえる!!
    でも、音の実在感は昨日よりも良い感じ。
    そもそもが10吋(もしかしたらSP?)の興しなので仕方ないのかもしれない。
    次は、マイルスのクッキンから、マイファニーバレンタイン。
    チェンバースの音がチェンバースに聞こえない。さすがにフレーズはチェンバース(笑)だけど、違う人みたい。
    もっと陰っぽい表現ができるといいな。
    その次、オーディオ界では有名なケニーバロンのフラジャイル。
    ベースを聞くアルバムと言われるが、シンバルを聞いている。
    作業前に比べ、ハッキリ,くっきりの音に変化したのに、なぜか嘘臭い。
    全体的に音が明るくなる傾向に感じる。陰影に富むというより、明るくハッキリ表現すると言う感じに思える。
    しかし、一度、この照明がバシッと当たったような音を体験しちゃうと戻れないですね。
    3日目。昨日からCDをリピート
    昨日とは打って変わって、中音が張り出してきたように感じる。
    昨日の派手さがなく、高音は大分、落ち着いてきたようである。聞きやすくなってきた。
    しかし、どうしても嘘っぽい感じが薄れてこない
    4日目。電源Offからの起動
    ジュリーロンドンのAt Homeを聴く。
    う〜ん。。。困った なぜか、音が違う...作り物の音に聞こえる...
    もしや、と思いCDプレーヤの配線を見ると、「analogue out」には「Fix」と「VAR」というものがある。
    今の接続は、「Fix」。それぞれどういう意味かは、わからない。
    試しに接続を「VAR」に変えてみる。・・・・・・・・・・・・・ おーーーっ!!!!
    きたーッ!! という感じで、不自然さが大きく改善された!!
    重心も下がり、ウッドベースの音が低音という音からきちんとベースの音になってきた。
    まだまだ、変化が続くと思うので、これからが楽しみだ。。
    7日目。
    なかなか良い。この一言である。
    多少、高域に多少の癖があるのと陰影が薄いと感じる事もあるが、明るくハッキリした音でキレも十分だと思う。
    嘘っぽさも消え、CDをとっかえひっかえして楽しんでいる最中です。
とっても勉強になりました。改造マニアにはならないと思いますが、少しはオーディオ機器の理解が進んだと思います。
これを足がかりに色々勉強していきたいと思います。
古い機器でも、潜在能力が高いものは、まだまだ使えますね。
ちょっとの間は、このまま楽しみます。そして、次のターゲットはオペアンプ交換orリクロックを狙うことにします。

ご指導いただいたPract Sound System岡本様、本当にありがとうございました。

こちらこそ、詳しい説明をありがとうございます。
試行錯誤されたご様子がよくわかり、これからトライなさる方の参考になると思います。(岡本記)




当店の製品へのご感想をお寄せ下さい。

管理者:info@practsoundsystem999.jp ←スパムメール防止のためメールアドレスのドメイン名に 999 を書き足してあります。
メールを送信する場合は 999 を削除したアドレス宛てに送信して下さい。