当店が取り扱っておりますハイブリッド・モノ・パワーのDuoは、前段の真空管を駆動するために少し変わった電源回路により高電圧を得ています。
そのような回路を持つ装置に第二世代を実装する場合の構成例を示します。
①半導体回路用 ±35V |
この回路はごく標準的なセンターゼロ電源です。コンデンサは片極側10000μFと大きなものです。 ここにはBC24A22HVer2を用い、補助コンデンサC3〜C6は全て63V10000μFです。 CPMはCP−3006HCを各極1本パラに取付けます。 |
②真空管B電源用 +104V |
この回路は4本のダイオードをトランス両端からパラにならべており、両波倍電圧整流とでも言うべき回路となっております。 これに実装する第二世代について、出川先生に問い合わせたところ、D1、D3については半波整流×2と考えることでS12A45UVerⅡを使うことを薦められました。補助コンデンサは100μFです。さらにD2、D4については単品のSBD(20KHA20)で良いだろうとのことでした。 また、最終段のC6にCPM2060HCを並列に接続しました。 |
③真空管A電源用 +16V |
この回路は小さな丸型のブリッジ整流器で全波整流されており、既設のダイオードは4700μFでした。 これはごく標準的な全波整流の回路ですので、B12A06Hに補助コンデンサは10000Fを実装し、さらにCPMは3006HCで完了です。 |
下の写真は左がB電源用の部品、右は上に書いた第二世代化を全部実装した後のDuoの写真です。 10000μFのコンデンサが大きく、それを都合5本実装するため、やむなくサブプレートを追加しそれに載せる形で固定しました。 コンデンサは別置きにしてもよかったのですが、アンプケースへの実装の都合上、なるべく同一面積内に収めたかったため苦労しました。 基板の中心にあるビス穴にスペーサを立てて基板を固定しましたが、ミニチュア管の頭が少し突き出てしまうのでその分だけ切り欠いています。 |
以上の第二世代化を実施したDuoと未実装のDuoとを、モノラルソースを入れて友人ら数人と比較試聴しました。その差は歴然でした。 モノラルでも奥行きや立体感が出るものですが、その音のリアリティがまるで違います。いくら音量を上げてもやかましくない、ごく自然に包まれる、柔らかさと滑らかさの素晴らしいアンプになりました。 大音量で音楽をかけながらでも友人らと普通に話しができてしまう・・・そんな、まるでジャズ喫茶の生演奏の眼前にでもいるような感覚です。 改めて第二世代電源の素晴らしさを実感しました。 回路の考え方等、皆様のご参考になれば幸いです。 |