システムの第二世代電源化
【結論】
実践すべき! やったもの勝ちの世界で、後戻り出来ないレベルへ昇華します。特に顕著であるのが、低音のエネルギー増大、立上がりの速さ、心地よい空間放射といった要素が、音圧上昇・明瞭度・ステージ再現性の向上に結びついていると感じます。
圧巻は、鈴の音でした。(ほんまかいなぁ‥っと独り言を発してしまいました)
【実践順位】
推奨は上流装置から実施すると、改善度合いが把握しやすいと思われます。
例: 《ソース機器》 → 《DAC・プリアンプ》 → 《パワーアンプ》
ちなみに、私は以下に説明しますが、この順序で実践していません。お陰で、ショックを伴う苦労と良い意味での発見ができたことは、結果的に最善だったと思います。
【実践内容】
実践順位は、《パワーアンプ》 → 《ソース機器》 → 《プリアンプ》 で行いました。
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パワーアンプでの第一印象は、以外にも、『何か変!』とマイナスに感じてしまいました。低域はタップリ出るのですが、
ザワついた感じ、中域の深みが無く、ステージ再現性も悪化しており、かなりショックでした。
ひょっとしたら、他の要因が際立った現象かも知れないと思い、冷静に検証してみました。すると案の定、スピーカー側に原因がありました。
スピーカーシステム(4Way)の構築の際、MID-Highの極性に悩やみ当時は、正接/逆接共に差が感じられなかったのですが、今回の改善で、明確になってしまいました。
これまで誤っていた極性を正しく接続替えしたとたん、ボーカルの口元が見通せるかのように激変し、全ての負の現象が一気に解消してしまい、抜群の駆動力とスピード感で最高のバランスです。
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【改造後のアンプ内部の様子】
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今まで、何してたんやぁ!の反省心境です。
ただ、これらの効果は、下記ポイントによる影響も大きいと思われます。
・アンプ基板の洗浄
・信号線材変更(シュテルンクランク製:ephemera)
・入力回路ATT抵抗器のグレード変更(VISHAY: VSR → Z201)
・全ての線材を拠線の極太志向→単芯・無垢材のスリム化(必要電流値の最適サイズ)志向へ転換
・ ケーブル接続部に非磁性体であっても金属製のネジ・ナット類の使用を排除し、非金属材に換装。(例:レニー、セラミック、黒檀等)
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【洗浄後のアンプ基板・信号線材の変更】
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もう、これで良いのではと思いましたが、しばらく聞き込んでいるうちに収録時のマイクを通した後というか、マスタリング作業の環境でモニタしているような感覚が気になり始めました。
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【入力回路ATT抵抗Z201(0.005%)の換装】
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そこで、次は、CDトランスポート(内蔵DAC流用)の電源改善を実施です。
これは、圧倒的でしたねぇ。気になっていたモニタ感が払拭され、目前で演奏しているかのような感覚です。
特にピアノ・鈴・シンバルなど高調波を含む楽器の実在感がすばらしいです。
抜け・伸び・広がり・減衰が納得いく再現レベルです。
この時が、『ほんまかいなぁ!』の発声です。
もう、ここで止めようと思いましたが、その先を見てみたい衝動を抑えられず‥
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【電源・制御基板の下段追加による改善】
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最後のプリアンプに臨んだところ、先ず、予想通り音圧が上昇したことに、直に気づきました。
次に、全ての音が明確に伝わることで、ストレスを感じなくなりました。聞こえる音が全て納得できてしまいます。ただし、低域のかぶりが少し気になり出したことで、プチショックをわずらうことに・・・(後、一息やのにぃ〜)
しかし、これも例の他要因が浮き出てきたのでは?っとポジティブ思考を振り絞って地道に検証していきました。
すると、プリ〜パワー間に使用しているライントランスの1次/2次の接続が左右のCHで異なっていることに気づきました。とは言え、600Ω対応の1:1なので1次/2次の定義が無いようなものですが、丁寧に測定と聴取の検証を行った結果、最良の条件を捉えました。
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【改善後のプリアンプ内部(左側)】
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このとどめの仕上げで、後戻り不可能とういうか、これ以上、怖くて触れない領域に到達したようで年甲斐もなく興奮しっぱなしです。
何を聞いても、素直に受け止められ、音を聞くということから音楽に浸れることに変わります。
CDを再生する意識から、音楽の演奏を開始するという感覚に変わりました。
後は、音楽ソース(録音状態)の良し悪しだけです。
しかし、CDトラポのクロックはノーマルのままだし、DACも内蔵流用のままだし、未着手の部分が気にかかると、更なる未知の世界を覗きたい悪い虫が、前頭葉を侵しています。。。
また、お世話になります。よろしくです。
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森本様、楽しいご報告をありがとうございます。
第二世代電源は、上流から下流の末端まで全ての電源を第二世代にすることで最大限の効果が期待されます。逆に1ヵ所でも従来型のブリッジ整流回路が含まれますと、そこでせっかくの効果がスポイルされてしまいます。
その意味では、パワーアンプ、プリアンプ、トランスポート(DAC流用)と全ての電源が第二世代化したことでベストな結果を得られているものと思います。
また今後はCDPのクロック交換などお勧めです。どうぞ第二世代電源の世界をお楽しみください。
森本様から追加でのご報告をいただきました。
今回はより負荷に近いところにCPMを追加されたそうです。
メカはCD−Pro2を様々な工夫をなされた自作電源とともにご使用中です。
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CPM追加の更なる効果
【結果】
大した効果は期待できないであろうと思いつつ、少しでも進化するのであればとの願いで試みましたが、とんでもないです!
『効果絶大!』有り得ない奥行き感と鮮明さが増し、どこまでも音が見通せてしまいます。最後まで埋もれていた音が掘り起こされるが如く、感知できな
かった音やニュアンスが伝わり、演奏される音場へトリップする感覚です。
正に、その場に居合わせているような一体感を得られます。
前回の第二世代電源+CPM化でも度肝も抜かれましたが、未だ、伸びシロがあるとは驚きであり、自身が組み上げてきたシステムに恐ろしささえ覚えます。
(危険な言い方ですが、もはや麻薬的な再生能力です。)
【追加処置内容】
前回の改善作業は、整流部に対して行いましたが、今回の試みは、定電圧回路→増幅・制御の負荷回路への給電ラインにCPM追加を実施しました。
なるべく、負荷回路付近の実装を目指して、検討すること2日を費やして現状におけるベストな実装方法を探りました。
CDトラポは、電源・制御基板〜本体間の給電ライン上に組み付ける為、当ケーブルを一から作り直しで、半日以上を費やしての製作です。
※ 大したケーブルには見えないと思いますが、いろいろと計算しています。
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【CDトラポ追加CPM取付けの様子】
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PRIアンプ側は、実装思案にこそ時間を要しましたが、組み付け製作には2時間程度で精度良く実装することができました。
部品(CPM)をただ単に取り付けるだけでしたら、1時間程度で事足りますが、CPM自体や取付け周辺パーツへのストレスを与えないこと、導通部の接点影響、振動処理等を考慮すると、後付け行為なので、どうしても時間がかかってしまいますが、この効果ならば、もっと苦労しても問題なしですね。
とにかく、後、一押しで泣けてきそうな再生(演奏)レベルでございます。
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【PRIアンプ追加CPM取付けの様子】
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森本様、追加でのご報告をありがとうございます。
より負荷に近いところにCPMを追加され、そのための電源配線の相当工夫されたとのこと。
どんな直流電源でも、負荷からの距離があればそれだけ逆電圧の影響を受けています。
この意味からも実に的を得た改善であり、まさに理想的な直流電源になっているものと思います。
貴重な検証報告ですね。これからトライなさる皆様のご参考になると思います。
ありがとうございます。
CDPro2メカを利用したトランスポートからパワーアンプまで、システム全体に第二世代電源とCPMを実装されておられる森本様から、
今回は、システム全体にLCMを追加されたご報告をいただきました。
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LCM追加の更なる効果
【結果】
多少の改善度を期待しつつLCM追加を試してみましたが、ドえらいことになりました!
とにかく、2chスピーカーからの再生ステージとは思えない音場を形成します。解像度・奥行きの向上・S/Nが明らかに改善されており、特に低域が深く沈み込みます。この効果により、つっかかりが一切無くなり、滑らかさが加わることで音楽に包み込まれる感覚が、気持ち良過ぎです。もう、これはスピーカーから発せられる音とは思えません。
【追加処置内容】 先ずは、手軽に取り掛かれるCDPから試しました。
最初のインパクトは、「ん~っ‥失敗か?」。。。っというのも、解像度は明らかに向上したのですが、何かギスギスした落ち着きの無い感覚で、追加前の最大の特徴であった訴求力・浸透力が全く感じられませんでした。この処置は電源ラインへシリアルにLCMが接続されて且つ電解コン(OS)を新規追加したこともある為、2週間ほど連続エージングで様子見しました。
2週間経過後、かなり落ち着いてきたのですが、訴求力が今一なので処置前後の比較をじっくりと考察したところ、新規製作したケーブルがガッチリと束縛している点に気づきました。この束縛を解き、あえて自由振動するようにしたところ、訴求力が蘇り、音が冴え渡る状態になりました。
ものすごい解像度と切れ味抜群の再生能力ですが、何となくハイ寄りなバランスが気になりましたので次の処置へ向いました。
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【CDT LPM取付けの様子】
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次はプリアンプです。電源基板の表は実装箇所が無く、裏(パターン側)面に実装するしか方法がありません。処置前の電源基板スペーサは8mm高なので、12mm高へ変更しました。どうせ変更するならと思い、微振動対策を兼ねて黄銅(無メッキ)→チタン材へ換装しました。
しかし、チタン製スペーサは値がはりますね。購入に踏み切るのに相当悩みました‥
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【PreAmp チタン製スペーサ】
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システム中、LCM追加処置で一番面倒なのがプリアンプですが、何とか終えて音出ししたところ、これが2chスピーカーの音場はと思えないくらいの包み込まれる感覚が直ぐに伝わりました。
一応、2週間程度、連続エージングで様子見しつつ、パワーアンプの追加処置準備を進めます。
2週間経過後、じっくり聞いてみると包み込まれる音場に加え、何とも滑らかな音が気持ち良く、気になっていたバランスが整ってきました。
もう、ここまできたら一気に行くしかないと言うことで、パワーアンプに着手です。
システム中、一番体力を使うパワーアンプ作業ですが、ラックから引き出すのに1時間かかります。しかし、MONOアンプで2台分ありますが、処置は一番楽です。
クタクタになりながら、ようやくラックへ戻し、いよいよ音出し確認です。
とにかく、問題なく音が出て安心しました(パワーアンプだけは何度実施しても緊張しますね)
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【PreAmp 電源基板LCM取付の様子】
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少々荒々しい感触でしたので、いつもの2週間程度の連続エージングで様子見した後のファーストインプレッションですが、S/Nがえらい改善していることに直ぐ気づきました。しかも低域の沈み込みが深いためか、つっかかりが無くなり、より滑らかになったことで恐ろしい臨場感です。
ちなみに、非再生時のノイズレベルを測定したのですが、ほとんど処置前と変化が無かったのでS/N向上は期待していなかったのですが、静的ノイズより動的ノイズの低減が著しく、静けさが染入ります。これは、独り占めしてはいけない領域に達した感があります。
最近になって、冷静に気持ち良く聞けるようになりましたが、どうも目を開けて聞くと違和感があるように感じます。脳が視覚情報と聴覚情報との差に困惑しているように感じてなりません。これまではオーディオシステムが一生懸命、臨場感を生み出していると受け止めてきたのですが、次元が違い過ぎる再生能力に戸惑いを隠せませんでした。
とにかく、16bit/44.1KHzの音源を完全に再生しきっていると思います。
ほとんどマスタリングの世界に身を置いている感覚です。(有り得へん!)
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【PowerAmp 電源部LCM取付の様子】
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