以前Unidisk1.1のチューンングをご依頼いただいたお客様から、ドイツ製のSACDプレーヤのチューニングのご依頼をいただきました。
「音が薄い」とのことで、深みと豊かさを求めておられました。
予算の枠内でできる限り改善するようにご指示をいただきましたが、その結果、アナログ電源はすっかり作り直すことになりました。
リンデマン820Sのアナログ電源は外部に専用のアルミケースに入れて別置きされています。 右がその写真と回路図(略図)です。 回路図の上半分がDAC用のアナログ回路(2回路)で、下半分がオペアンプ用の両振り電源です。この電源はトランスの2回路を使ってそれぞれに整流し、最終段で組み合わされてプラス・マイナスの両振り電源に構成されています。それぞれブリッジダイオードを出てから4700uFx2で平滑され、コモンフィルターを介してさらに4700uFx2を通されてから外部にケーブルに出力されています。その直流はSACD本体に入ってからも4700uFのコンデンサを経てからレギュレータ回路に入っています。プラス側だけでレギュレータまでの間に23500uFもの平滑コンデンサが入れられていました。0.5Aの負荷電流にこの容量は過大と思われました。 |
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右が改修後の回路略図です。 オペアンプ用の電源は上に書いたように直流2回路でしたが、それだと部品点数が増えて場所を食うのでBCシリーズを 使って最初から両振りに纏めました。よってブリッジ4個=>第二世代電源3個に実装替えしました。 コンデンサはメインコンデンサを2500uFとし、補助コンデンサを4700uFとしています。 また、全てのコンデンサにパラにCPMを入れ、かつライン途中にはLCMとオーグ ラインターミネータを入れています。最終段のコンデンサは1000uFとしました。 基本的に基板の上面に実装しましたが、面積が狭くてそれだけでは設置しきれず、 基板裏面にも部品を配置しています。 アルミケースの高さに結構余裕があったのでラッキーでした。 SACD本体に入ってからはレギュレータの出口にCPMを入れました。 |
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デジタル回路の電源は5回路もありました。これらを全て第二世代電源にしていると
大掛かりになりすぎてしまうことから、コスパを優先して各回路にCPMとオーグラインターミネータを実装しました。 また、SACDの出口のXLRコネクタ部にもオーグラインターミネータを入れて静けさを 改善しています。 これらの改修を行った後のご感想をいただきましたのでそのまま記載します。 |
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N様、このたびもチューニングのご注文をいただきありがとうございます。
アナログ電源では実装したパーツが多いのでケースに収めるのにやや苦労しました。
大掛かりに入れ替えましたのでエージングもそれなりにかかったものと思います。
第2世代電源の音の滑らかさはやはり格別と思います。どうぞお楽しみ下さい。
ありがとうございました。
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