東京のgizmo様
CD34:高精度リクロック実装

CD-34の水晶発振器を高精度な物へ変更し、リクロックをしました。
※チューンに関しては各人の責任で行ってください。壊れても責任は持てません。
1.水晶発振器の変更
CD-34には4.2336MHzの発振器が使われています。
SAA7000の横にある水晶がそれに当たります。
右の写真で赤丸で囲んである水晶です。

プラクト・サウンド・システムさんにご相談したところ、

「同期リクロックに使う源クロックはリクロックされる側の周波数の数倍程度(2〜4倍まで、できれば奇数倍が良い)がベストです。」

というご教授をいただきました。
リクロックも行う予定ですので、

16.9344MHzの源クロックを1/4分周を行い供給。16.9344MHzでリクロック

という方針にしました。
photo1
Photo1
この水晶発振器はSAA7000の7番と8の番ピンにつながっています。この8番ピンがクロックの入力です。
photo2
Photo2
Fig1
Fig.1 CD-34クロック部分
水晶発振器は三田電波製をプラクト・サウンド・システムさんから購入しました。また、回路はNagasほーむぺーじにあるものを元に使わせていただきました。
分周部分は1/4分周でJKフリップを2個使っています。
プラクト・サウンド・システムさんにご教授いただき、 NagasほーむぺーじにあるLをはずし、10pの積層セラコンと100Ωの反射防止抵抗をつけています。
Fig2

Fig.2 1/4分周回路
ユニーバーサル基板に発振器、分周、リクロック回路を組み、先ずはクロックの載せ換えをします。
Fig1にある68p33pのチップコンデンサ、820kのチップ抵抗もはずし、分周回路の出力をSAA7000の8番に接続します。
電源は基板上の11.5Vから取り、レギュレータで5Vを取り出しました。
配線はオヤイデの銀単線0.8tで行いましたが、プラクト・サウンド・システムさんからは「デジタル系はもっと細い方が良い」と伺いました。
動いているので、良しとします。

※写真はリクロックも配線済みの状態です。
Photo3
Photo3
さて、ここまでできたところで試聴しました。高域に少し色がありますが、高域が伸び、定位が良くなりました。更に、ステージも広がっています。
これは凄い!リクロックには更に期待が持てそうです。
   
2.リクロック
CD-34のDACであるTDA1540は、28番ピンがBCK、2番ピンがWCK、1番ピンがDATAとなっています。これらはデジフィルのSAA7030から供給されています。DACはL、R用2個ありますが、BCKはSAA7030の6番ピン、WCKは7番ピン共通で接続されています。
ただし、RのDACのBCKは途中で0Ωのチップ抵抗で繋がれています。
Fig3
Fig3 CD-34 デジフィルとDACの接続
初めは、BCKとLRそれぞれのDATAにリクロックをかけたのですが、プラクト・サウンド・システムさんから以下のようなご教授をいただきました。

「データにリクロックをかけるのは多分効果がありません。
むしろ2番(WCK)にかけるべきと思います。ただ、28番(BCK)以外は全部BCKを基準として付随する信号ですので、タイミング差が出てノイズが載ったりしない限りかけなくてもいいでしょう。

データはBCKの立ち上がりの時に安定状態(つまり立ち上がりきった状態)になっていなければならないものなので、データにBCKと同じリクロックをかけた場合、ノイズが出ることが多いです。

これに対してWCKは、BCKを基準としてワード単位の読み取り時期を規定する信号ですので、BCKと同期して立ち上がる必要があります。ですからどちらかといえばWCK(28番)にかけたほうがいいと思います。」

ということで、DATAのリクロックを止め、BCKとWCKのリクロックとしました。

BCK : SAA7030 6番ピン → リクロック回路 → TDA1540 28番ピン(LR共用)
WCK : SAA7030 7番ピン → リクロック回路 → TDA1540 2番ピン(LR共用)

という流れで接続しました。

幸運なことに一発で音が出ました。

さて、試聴です。
素晴らしい!!
静粛性が増し、目の前にステージが広がり始めました。
まだ、できたばかりなので、CDを聞いている間にも音が変わっていくのが解ります。
元ちとせを聞いていたのですが、シンバルの音が変わりました。以前は音がつぶれていたことが解ります。ボーカルが伸び伸びと謳うようになりました。
高域の色もなくなりました。

結果は大成功です。
 
3.謝辞
今回のチューニングに関してプラクト・サウンド・システムさんには大変なご助力をいただきました。素晴らしい部品とノウハウをご提供いただきました。
本当にありがとうございました。

 こちらこそ、とても分かり易いご報告をありがとうございます。皆様の参考になると思います。無事リクロックを完成されてよかったですね。(岡本記)



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