クロック交換後大分落ち付いてきました。交換した当初は高域の情報量が増えたのと、間接音が目立つようになったのが判りましたがエージング不足の感を禁じえないバランスの悪い音でした。ディスク入れっぱなしのリピート再生でエージング後(数日後評価)ではまず静かさに驚かされました。定位が落着き、また小さく凝縮され、その定位と定位の間の空間に録音現場のリリースやエコーが豊かに拡がる様になりました。
よく言われる分解能(余分な音にマスクされないという意味で)も向上しました。
ポップスなどでのマルチトラックで各パート別々に録音しているものは各楽器の音場の出来方がバラバラです。またふっとノイズが出ると
サックスのソロが始まり、終わるとふっとノイズが絞られます。ミキシングのフェーダーの動きまで判ってしまうのでしょうか。
奥行き感がよく出るようになったのと、ふわっとした空気感が出て安心して聴ける音なのでワンポイント録音(maレコーディング、TERARC、チェスキー等)が楽しく聴けます。反面、カラヤンのレコーディングなど「継ぎはぎ」が判ってしまい安心して聴いていられません(笑)。
時間軸方向のアキュレートの大切さはアナログ時代に散々実験をして身をもって知っているつもりでした。しかし50ppm(VRDS−T1はこれを外装箱でフューチャーとして謳っています)と1ppmでこんなにも違うとは思いませんでした。
クロック交換をなさる方は十分に下調べをしてからトライして下さい。
電子回路に不馴れな方にはお勧め致しません。
VRDS-T1をクロック交換してからその後、とうとう48kHz、32kHzをあきらめて
DACをCD専用にしてしまいました。
DACはオーディオ・アルケミーのDDE V1.1というだいぶ前の1ビットのものです。
CS8412とCS4303というクリスタル(シーラス・ロジック)の2チップ構成です。
単品DACの入門用にと、ディジタルノイズ対策やOScon、カーボランダムをつけたりして
しばらく遊んでいましたが、CD専用にする決心がつき、VRDS-T1に使用したの高精度水晶発振器
(16.9344MHz)を一旦取り外して、DAC側に内蔵する事にしました。
CS4304が1ビットであること、384fsの発振器であること、さらには基板・ICピンが
今までの実験で相当痛んでしまっていて今回の試行が上手くいく自信が無いのでリクロックはせず、
CS4304のマスタークロックを高精度水晶発振器で供給することにしました。
マスタークロックによりインターポレイションフィルターや心臓部のΔΣ変換器が駆動されているので、
ここの精度を上げてやることが時間軸の演算精度を高めることにつながると考えました。
今までCS8412の256fsをマスタークロックとしていたので、CS4303側で384fs
を受ける様に切り替えてやり、さらに発振器出力を分岐してBNCでトランスポートへ送り出します。
トランスポート側ではクロックを取り去りDACからの384fsクロックでシステムコントロール
ICを駆動するようになります。
さて、トランスポートにクロックがあったときに比べ音はどう変わったのでしょうか。
①暗騒音のような雰囲気感・空気感がさらに濃厚になり部屋いっぱいに拡がる。
最初はディジタルノイズが増えてしまったのかとも思いましたがディジタルSGのダイナミックな信号を入力した時にはムッとした雰囲気感は存在しないのと、ディスクにより全く異なる雰囲気感・空気感が得られるのことから改善点としました。
②よく言われる分解能(余分な音にマスクされないという意味で)がさらに向上した。
トランスポートにクロックがあったときにはややもすると大編成のオーケストラなどがこじんまりとしてしまっていました。しかし今回の実験では、オーケストラのスコアを透かし見るような明快な分解能と、決して室内楽的になってしまうようなことのないスケール感? が両立されています。<①との相乗効果でしょうか>
③低音楽器の力感・量感が向上し、ボーカルの浸透力が増した。
コントラバス等の力感・量感が向上して存在感がさらに増した。また(美音的な)音質にはあまり頓着が無いつもりだったのですが、トニー・ベネットとビル・エバンスのボーカルアルバムではボーカルのつややかさ、生々しさ、存在感と浸透力に、「これが聴きたかったんだ」と思ってしまいました。
と言う具合にさらに音楽を楽しい方向に進めてくれる結果となりました。もう、「中でディスクが回っている」ということを考えなくても良いような状態です。
このようなデバイスを供給して下さったおかげで、オーディオの楽しみがさらに拡がりました。
本当にありがとうございました。
その他の使用機材
ATT BOX:チェロ エチュード、チャネルデバイダー:フォステクス EN3000'(改)、
高域アンプ:2A3シングル、低域アンプ:811Aシングル、
ホーン・ドライバー;JBL 2385A・2450J、ウーハー:TAD TL−1601b
我が家で一番稼動率の高いスピーカーにマエストロを塗ってみました。居間のテレビのスピーカーです。
三菱の21インチのステレオテレビ(3万円しません)です。
フライバックトランスの高電圧が恐いのですが何とかスピーカーに塗ってみました。
ヘビーユーザーの妻は「CMなどの大きな音が出てもコワくない」との評価。
今まではボリウム表示を25以上にするとガシャガシャした音になってすぐボリウムを下げるのが常でした。
レンジは狭いのですがテレビとは思えない滑らかな音です。
今、教育テレビで「田園」を聞いています。テレビのスピーカーでオケが聴けるとは!
※千ボルト以上の高電圧回路があり、スイッチを切ってもコンデンサには蓄電されていますので、中身を知らない方は絶対に手を出してはいけません。
ディナウディオ エソター T330D にマエストロを塗ってその後、だいぶ落ち着いてきました。
T330Dはダイレクトラジエーターがあまり好きでない私でも「これは」と唸ってしまったドームツィーターの1つです。
優れたミュージカリティーと定位などの空間情報の正確さにはとても感心しています。ホーンシステムのユニット載せ換えで、JBLのD130のツィーターとしてマルチアンプで使用しています。
マエストロの効果としては、静けさがでてきます。
情報量が減った訳でもなく能率(音量)が下がった訳でもなく、深い森の中に入ったような、凛とした静けさを感じます。
また、非常に見通しの良い音場が再生できます。定位の描写も緻密になり実体感の向上が感じられます。
実は、T330Dにも癖があります。このユニットは良く考えて音を出している(?)ようなところがあって、その音には、必ず『ディナウディオのオーラ』見たいなものが感じられるのです。
このユニットを使って最近話題になったT社の2ウェイや、海外の製品でもそれを感じる事は出来ます。それを魅力と感じて『美音系ユニット』なんて言われていますが、私には癖としか思えませんでした。 |
これは我が家のシステムの一部です。 こんな環境で色々とやっています。 |